皆さま、こんにちは!スタッフYです。
去る9月、9月定例本議会の一般質問を行いました。
山田県議の質問と、それに対する県の答弁を掲載します。ご覧下さい。
質問は下記の6つです。
1、清水港長期構想への取り組みについて
2、リニア中央新幹線整備における課題について
3、文化力の拠点整備について
4、洋上風力発電の課題について
5、プラスチックごみの処理について
6、TECH BEAT Shizuokaの取り組みとベンチャー企業の育成支援について
<1、清水港長期構想への取り組みについて>
〇質問
清水港は、クルーズ先進国であるヨーロッパやアメリカ周辺などと違い、大型客船の乗客が下船した時に、さまざまな観光やアクテビティが出来るような体制が十分にそろっているとは言い難く、マリンスポーツなどの海洋レジャー産業による港づくりを進めることにより、清水港の価値がより高くなると考える。 湾の最奥部に位置する折戸地区は、さまざまな活用方法が考えられ、清水港長期構想においても「水面を活用したリゾートの形成」がうたわれている。海洋レジャー産業を振興していく必要があると考えるが、県として、今後どのような取り組みをしていくのか伺う。 また、さらに清水港の価値を高めるためには、他の都道府県と連携してクルーズ船の誘致活動の拡大を図る必要があると考えるが、県として、どのように取組んでいくのか合わせて伺う。
〇答弁
清水港は、「ふじのくに静岡県」の海に開かれた玄関口であります。私は、日本を形容するときに、多くの場合「海に囲まれた日本」という言い方をしますけれど、これからも地球というものを相手にした時代に立ち向かう日本としましては、「海に開かれた日本」という形容をむしろ使うべきではないかと考えております。 私は、6つの質問のうち、清水港長期構想への取り組みについて御答弁させていただきます。 清水港は、明治32年の開港から、大正、昭和、平成の時代を経て、令和の時代の幕が開けた今年の8月4日に、開港120周年を迎えたところであります。 霊峰富士を仰ぎ、「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟した駿河湾に抱かれた日本三大美港の一つとして広く知られているところであり、また、東名に加え、新東名などの道路網と結ばれた地理的な優位性も持っており、これらの長所を生かし、「ものづくり県静岡」の産業や経済を支える海の玄関口として発展を遂げてまいりました。 清水港には、類まれなる「場の力」が宿っております。そこに、まだ潜在している力を開発するべく、おおむね20年後の長期的視点から港湾空間利用のあるべき姿と実現のための方向性を取りまとめ、本年8月に「清水港長期構想」を公表したところであります。 この長期構想では、清水港の湾奥部に位置する折戸地区につきまして、水面の利活用や、沿岸部への民間開発を促すことにより、人々が訪れる良質なリゾートを形成することを目指しております。 折戸地区の開発につきましては、地元の方の関心が非常に高いことは御案内のとおりであります。先月、地元の民間団体、地権者の皆様が知事室にお見えになり、地域の活性化について皆さんで御議論され、また取りまとめられた提言書をお渡しいただきました。 この提言書によりますと、折戸地区が持つ美しい富士山の景観、穏やかな海、まさに絶景ともいうべき、この高いポテンシャルを生かし、マリンスポーツの体験、世界に誇る食材を活用した飲食・宿泊などの提供、そうした環境整備を進める内容が盛り込まれており、皆様の熱意が伝わってまいりました。 県といたしましては、こうした提言などを踏まえながら、引き続き、地権者や関係する方々にも、御参加いただいて合意形成を進め、「目指す姿」を共有し、そして実現を図ってまいります。 また、クルーズ船の誘致拡大につきましては、議員御指摘のとおり、日本海側の複数の港の連携によるセールスが寄港につながっているという事例もありますことから、今年度、国の制度を活用し、太平洋側の本県と和歌山県、高知県の3県が連携して、海外でのセミナー開催や海外船会社の寄港先を決定するキーパーソンに対するファムトリップを共同で行うなど、より効果的な誘致活動を実施してまいります。 県といたしましては、三保半島に抱かれ、富士山曼荼羅にも描かれている折戸湾の魅力にスポットライトを当て、マリンスポーツや海洋レジャーの振興により清水港の魅力を高めるとともに、太平洋沿岸の港湾が連携したクルーズ船誘致活動を展開し、世界の人々に訪れていただける港となるよう、官民一体となって取り組んでまいります。
リニア中央新幹線南アルプストンネルは、中央構造線、糸魚川静岡構造線を横切ることから、通常のトンネル工事よりも難工事になることが予想されている。 静岡工区では、西俣及び千石からの2本の斜坑掘削、そして、そこから東西に先進坑と本坑が掘削され、また、トンネル湧水を大井川に戻す導水路トンネルが西俣から椹島間に掘削される。新東名高速や中部横断道の建設工事では、自然由来の重金属類の発見による工事の遅れが生じたことから、南アルプストンネル工事でもどのようなトラブルが発生するか分からない。現状では、詳細な地質調査を実施するとは聞いていないが、難工事が予想されるだけに、トンネル周辺の地層や地質について、しっかりと地質調査等を行った上で、工事を進める必要があると考える。 リニア中央新幹線の開業は、8年後の2027年の予定であるが、JRから工事全体の大まかな工程表などが明示されているか伺う。また、明示されていないのであれば、そのような状況で水問題を含め、JRとの間で協定締結に向けた議論が出来るのか心配であるので、この点について県の考えを伺う。 また、併せて、このような難しいトンネル工事が進められるにあたり、県として想定する具体的な課題をどう捉えているのか伺う。
〇答弁
ユネスコエコパークに登録されている南アルプスは、その地質構造が他に類を見ないほど複雑で、生態系も極めて脆弱であります。このような南アルプスにおいて行われる大深度のトンネル工事には、大きなリスクが伴います。 このため、現在「トンネル湧水の全量を大井川水系に戻すこと」を前提に、中央新幹線環境保全連絡会議の専門部会におきまして、工事に伴うリスクの明示とその回避・低減に向けて、科学的根拠に基づき、JR東海と対話を重ねているところであります。 協定締結に向けた議論を行うためには、工程表が示されることが望ましいと考えております。先月、8月20日ですが、この専門部会の委員との意見交換会におきまして、工事の進展に伴って、どのように湧水が大井川に戻されるのかという一種の工程が示されました。また、この中で、山梨県境付近のトンネル掘削の工程が明らかにされました。 この工程では、トンネルを山梨県側から県境を越えて静岡県側に掘ることになります。掘削の速度から考えると、トンネル湧水が山梨県側に10か月間程度流出する、トンネル湧水、これは、静岡県側のトンネル湧水ですが、それが山梨県側に10か月間程度流出するという問題が判明いたしました。このような工法は、静岡県として容認できるものではありません。よって、現時点では、この工法を前提とした全体工程について意見交換を行う段階にはないと考えております。 現在は、専門部会において、事業着手前に必ず行わなければならないリスク管理に関する対話を行っているところです。この対話が適切に進めば、協定締結につながると考えております。 想定されるリスクとしてですが、大きく分けると4つあります。一つ目は「トンネル湧水の大井川流域外への流出に伴う河川流量や地下水量の減少」です。二つ目は「地下水脈の変化による地下水位の低下」です。三番目は、「重金属等の有害物質を含む湧水、或いは水温等の水質が河川とは異なるトンネル内の湧水が、河川へ放水、流入することによる河川の水質の悪化・変化」です。四つ目は、「沢枯れによる生態系への壊滅的影響」です。これらにより引き起こされる、大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境への著しい影響を、いかに回避・低減するか、することができるかが課題であると考えております。 今後、この課題解決と県民の皆様の不安の払拭に向けまして、現地調査で得られたデータに基づく解析結果、或いは環境保全計画について具体的な資料をJR東海から提出を求めます。それを基に水量、水質の確保と自然環境の保全について、科学的根拠に基づき、粘り強く対話を進めてまいります。
<3、文化力の拠点整備について>
〇質問
文化力の拠点について、昨年度末に施設の概要は示されたものの、具体的な内容は見えていない。県立中央図書館の全面移転については、基本計画の策定によりおおよその規模や機能が明らかになったが、その他の施設についても早急に具体化していかなければ、中央図書館の移転整備に遅れが出ることになる。 民間活力を活用した施設については、今後、事業計画案公募での提案をもとに、具体的な事業推進に向けて進むこととなっているが、グローバル社会の進展に合わせた多文化共生推進や今後も大きく成長していく産業であるAIやICT等の拠点など、多くの可能性があると考えている。 そこで県として、今後、この施設の未来に向けた計画をどのように進めていくのか伺う。
〇答弁
文化力の拠点整備につきましては、本年3月に、新県立中央図書館を中心として、「新しい知的空間」などの公的施設と、本県の食・茶・花の魅力を発信するレストランやカフェ等の民間施設を設置することを、県の方針として、県議会及び県民の皆様にお示ししたところであります。現在、この方針を基に、民間事業者から御提案を頂きながら、施設の内容や規模、管理運営方法などについて、具体化を図っております。 この中で、中核施設の一つとして設置する「新しい知的空間」につきましては、新たな文化を創造する「文化力の拠点」にふさわしい施設となるよう、庁内プロジェクトチームにおいて検討を進めております。 具体的には、新県立中央図書館が所蔵を想定する約200万冊の豊富な蔵書を活用した図書・閲覧スペースや、文化に関わる様々な人々の交流・連携を促すための開放的な交流スペースなどの設置を想定しております。加えて、若者や、文化に関心を持つ県民の学びの場となるセミナールームやラボなどの機能につきましても、検討を進めております。 また、議員から御提案のありました多化共生の推進の視点につきましては、海外からの留学生や研究者、日本人大学生、地域住民など、多様な文化を背景に持つ人々が、様々な価値観を認め合いながら活発に交流する場として、「新しい知的空間」が大いに活用できるものと考えております。 さらに、静岡の将来を担う人材の育成に向けまして、グローバル人材の育成や留学生支援を行う大学コンソーシアムの拠点機能を「新しい知的空間」に設置いたします。また、最先端の情報通信技術に対応できる人材や企業の確保・育成を図るAI・ICTの拠点機能の設置につきましても、併せて検討を進めております。 県といたしましては、「文化力の拠点」が魅力ある施設となるよう、県議会の皆様の御意見を伺いながら、本年度内を目途に、整備の具体的内容を施設整備計画に取りまとめるなど、新県立中央図書館を中心とした「文化力の拠点」施設の早期実現に向け、スピード感を持って取り組んでまいります。 <4、洋上風力発電の課題について>
〇質問
欧州における洋上風力発電は、現在16万メガワットと導入が進んでいるが、日本では20メガワットで、かつ全て国の実証事業である。 一方、2018年11月現在、国内では13箇所、5,370メガワットの洋上風力発電設置計画について環境アセスメントの手続きが進められ、今年に入り静岡県と和歌山県の計画についての手続きが進められている。 昨年11月に可決された「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」では、洋上風力発電の導入を進める地域に利害関係者などによる協議会が設置され、地元自治体等への意見聴取を経た上で、促進区域を指定し、事業者を公募、最大30年間の占有許可を与えるこということが規定されており、今後はこれにより事業が進められると考える。 県内でも事業者による計画があるが、国内での洋上風力発電については、先行する欧州との気象条件や海象条件の違い、建設や保守コストなどの課題がある。また、沿岸漁業、船舶、景観に与える影響や、本県をはじめ関東地方に大きな被害が生じた台風15号など近年大型化している台風が与える影響などについて、慎重に考える必要がある。 現在、県内で計画がある地域の漁業協同組合が不安を持っている状況と聞くなか、県として洋上風力発電に対してどのように考えるのか伺う。また、陸上とは異なり、海洋生物や漁業、船舶の航行などといった環境への影響についてどのように考えるのか併せて伺う。
〇答弁
国は、陸上よりも風力が安定し、効率的な発電が見込まれる洋上風力発電を有望な再生可能エネルギーの一つに位置付け、一般海域における洋上風力発電のルールを盛り込んだ関係法令を4月に施行いたしました。 現在、国内では、地元都道府県から国に洋上風力発電の候補地として情報提供のあった案件のうち、秋田県能代市沖など4か所が、最大30年間の事業実施が可能となる促進区域の有望区域として選定されております。今後、国は法律に基づき、関係自治体や漁業団体をはじめとする利害関係者等を構成員とした協議会での意見聴取や、海域の詳細調査を経た上で、促進区域を指定することとなります。 一方、県内では、促進区域の候補地は存在しませんが、民間事業者から、環境影響評価法に基づき、遠州灘沖と南伊豆沖での洋上風力発電の計画が示されております。 洋上風力発電による環境等への影響といたしましては、「海流等の変化により動植物の生態系が崩れるおそれ」や「発電設備や海底ケーブルが漁業や船舶の航行の障害となるおそれ」、また、「洋上に林立する発電設備が景観に悪影響を及ぼすおそれ」などが挙げられます。これらに加えまして、南海トラフ地震による被害が想定される本県におきましては、「発電設備が倒壊し、津波により陸域に流入した場合に、海岸堤防や住居等の損壊を招くおそれ」も挙げられるところであります。このため、現在行われている遠州灘沖の事業計画に係る環境影響評価手続の中で、これらの想定されるおそれに対し配慮等を求める意見を述べたところであります。 このように、漁業者などの利害関係者の抱える大きな不安や、海洋生態系など環境への影響、大規模災害への備えなどに対する懸念をしっかりと解消、払拭できなければ、このような計画は成り立ち得ないものと考えております。 県といたしましては、こうした観点から、今後の法令手続きの中で本県に関与を求められる場面におきまして、適切に対応をしてまいります。
〇再質問
洋上風力発電についてでありますが、先ほど部長からも明解な課題とお答えされましたが、環境アセスメントがこれから始まっていく中で適切に対応していくということでありますが、やはり、これは県としてもほんとに大きな課題であると思います。伊豆半島、また、様々なところで非常に思い入れのある、思い出がある土地であります。現時点における洋上風力発電というものについて、どのような捉え方、考え方をしているか伺います。
また、野球場以外の施設をアンケートでいろいろと聴いているが、そちらの具体案についてもいつ頃明かされるのか伺う。
〇答弁
現時点での洋上風力発電に対する県の考え方ということでございます。 先ほどの答弁でも申し上げましたけれど、洋上風力発電は、非常に大きな施設を水深に立てるということでございまして、先ほど言いましたように海洋への生態系をはじめとする影響、それから、発電設備、地下に大きなものを付けたり、大きな構造物を立てますので、それによって漁業とか船舶の航行などに重大な影響を及ぼす可能性もございます。 林立する発電設備が、これから伊豆半島のほうは、環境アセスの手続きが進んでまいりますが、この景観への影響も非常に懸念されるということがございます。 こうしたようなところをしっかり踏まえまして、県としては、こういったものが、地元の漁業者、あるいは関係者の皆さん、それから災害に対する備え、この懸念、不安が払拭されない限りは、やはり、このような、計画はなかなか成り立ち得ないというふうに考えております。 <5、プラスチックごみの処理について>
〇質問
環境省の発表では、廃プラスチックの国内排出量は年間およそ900万トンであり、そのうち100万トン以上を海外に輸出してきた。中国が2017年12月に輸入停止に踏み切り、その他の国も相次いで受け入れを停止したことにより、国内で排出される廃プラスチックの輸出量が大幅に減り、そのほとんどを国内で処理することになる。5月に環境省より各都道府県や市町村に対して廃プラスチックごみの焼却に関する通達が出された。これは、自治体や事務組合等が管理するごみ焼却場での焼却処理について検討するよう依頼するものであるが、焼却料金の設定などの条例改正や地元の理解を得る必要もあることから、実際にはなかなか進んでいない。 県内においては、新たな民間の焼却施設の建設計画があるが、施設稼働までには時間を要することから、今後の需要に十分に応えることができるのかといったことも懸念される。 そこで、諸外国が日本からの廃プラスチックの受け入れを中止した中、今後排出される廃プラスチックの処理に対して、県として、現状をどのように把握しているのか、また、今後の処理についてどのように捉えているのか伺う。
〇答弁
中国による2017年度のプラスチックごみの輸入規制以降、国内での廃プラスチック類の処理が課題となっております。このため、県では、昨年度、約400の産業廃棄物処分業者に対し、延べ約800回の立入検査を行い、廃プラスチック類の保管状況を調査いたしました。一部の事業者において保管量が増大しているものの、保管上限を超過している業者はありませんでした。 また、静岡県産業廃棄物協会の報告によりましても、大都市圏では保管上限を超過して保管されている状況があるものの、本県においては、このような状況にはないとのことであり、現状では、問題ないと考えております。 今後、首都圏からの流入等によりまして、廃プラスチック類の処理が滞留することも考えられますことから、民間事業者に対する廃プラスチック類のリサイクル処理向上に向けた相談事業を開始するとともに、国のリサイクル設備導入補助金の積極的な活用を働き掛けております。市町の一般廃棄物処理施設での受入れにつきましては、緊急避難措置としての検討をお願いしているところであります。 県といたしましては、引き続き、廃プラスチック類の処理が円滑に進むよう取り組んでまいります。
<6、TECH BEAT Shizuokaの取り組みとベンチャー企業の育成支援について>
〇質問
静岡県において、これからの20年で生産年齢人口が60万人減少するといわれており、労働力不足を補っていくためには、AIやIoT、ICTなどの先端技術を導入することなどで、生産性の向上と労働力確保を図っていかなければならない。 日進月歩の技術革新が進む中、ICTの活用により国と国の垣根が低くなり、今以上にグローバル化が加速することで、大企業のみならず、中小企業においても技術革新に取り組むことで大きく飛躍するチャンスが生まれる可能性がある。 今回、スタートアップ・ベンチャー企業と県内企業を結び付けることなどを中核として開催された「TECH BEAT Shizuoka」は、首都圏での開催ではない新たなイノベーションの流れを作るものとして、来場者が3,300人、商談件数328件と初めての開催としては大きな反響があったと聞いている。 TECH BEAT Shizuoka」の成果と今後に向けた考え方、また、県内のベンチャー企業の育成支援に対して、どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。
〇答弁
AIやIoTなどの科学技術が著しく進展し、第4次産業革命により我が国の産業構造は大きく変化しつつあります。こうした中、産業を支えるAI、ICT人材は首都圏に集中し、地方で人材を確保することは極めて困難な状況となっております。このため、県内企業と首都圏のスタートアップを結び付けることで、企業の抱える技術的な隘路(あいろ)を突破し、新たなビジネス展開や社会課題の解決につなげることを目的として、全国初となる「TECH BEAT Shizuoka」を、この7月に静岡市で開催いたしました。 来場者は2日間で、議員から御紹介がありましたように、約3,300人、商談件数は328件に上りました。この中には、既に業務の提携を進めている事例も出ていると伺っております。今後は、こうした成果を踏まえ、「TECH BEAT Shizuoka」を継続的に開催し、協業事例を積み上げることで、首都圏のスタートアップの本県進出を促進してまいります。加えて、農業や医療分野などへの重点的な展開も考えており、次世代モビリティやスマート農業などの実証フィールドを活用して、県内企業との協業による革新的な技術開発を促し、本県産業の一層の高度化を図ってまいります。 一方、県内では、静岡大学や県立大学などでベンチャーの創出が続いておりますほか、光産業創成大学院大学が、光技術を活用したビジネスプランコンテストを開催する等、新たな動きが出てきております。こうしたことから、今年度、大学等と連携し、持続的に大学発ベンチャーを創出する仕組みづくりを進めているところであります。具体的には、ベンチャーの育成支援に実績があるシード・アクセラレーターを活用して、教員や学生の有する産業化が可能な技術を掘り起こし、起業に向けたチームづくりや事業プラン策定を支援することで、潜在的なシーズを創業に結び付けてまいります。 県といたしましては、「TECH BEAT Shizuoka」を契機として、スタートアップと県内企業の協業を促進することで、付加価値の高い新たなビジネス創出につなげていくとともに、県内大学を中心としたベンチャーの創出に取り組み、絶え間ないイノベーションを生み出す産業構造への転換を着実に進めてまいります。

